国東半島を横断する

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宇佐神宮 旅行三日目は、国東半島半周を予定していた。別府から宇佐までは電車で行き、そこから海岸沿いをぐるっと時計回りで国東の宿まで行くというルートだ。距離は 60 〜 70km 程度、標高差はほとんど無い。この程度の負荷なら昨日までの二日までの疲れが溜まっていたとしても何とかなるはずだ。

がしかし、昨日阿蘇神社で出会った彼から富貴寺を勧められたからには行かないわけにはいかない。急遽国東半島横断ルートに切り替えた。事前に準備していなかったルートを走るのにはやや不安があったが、まあ何とかなるだろう。彼からもらったマップが役に立ちそうだ。

とりあえず宇佐神宮から出発。柏手を4回打ち、旅の安全を祈る。

彼岸花 宇佐から国道213号線を時計回りに北上し、豊後高田から両子山方面に向かうと農村地帯だ。田圃ではコンバインがどんどん稲穂を刈っている。別の畑に見える白い花は蕎麦だろうか。坂の傾斜はまだそれほどきつくない。陽差しは秋の穏やかなものだ。

楽しい。

やはり僕はこういう山道を行くのが性に合っているらしい。と思っていたら、稲刈りの終わった田圃の畦にずらりと彼岸花が咲いているのが見えた。僕は東北地方の出身なので、このような鮮やかな朱の列を成した彼岸花を見たことがない。この花はこのように咲いていると映えるものだな、と感動した。

その後阿蘇神社の彼に勧められた富貴寺に着く。が、正直なところそれほど印象に残る所では無かった。おそらくここに至るまでの道で見た景色が(僕にとって)素晴らしすぎたためだと思う。とはいえ、それら景色に出会えたのは富貴寺を目指したおかげだ。やはり彼には感謝している。

延々登る しかしそこから先の山越えは非常にきつかった。一昨日の阿蘇 〜 草千里ルートの比ではない。景色を見ながら休み休み行くのだが、対抗するかのように上り坂も延々続いている。そのうち手持ちの水は無くなり非常食も食べきってしまった。調達しようにも山の中でどうしようもない。しかもそんなときに限ってトラブルが起こる。リアブレーキがひどい音を立て始めた。砂を噛んだらしい。ブレーキパッドの分解掃除など普段ならどうという事も無い作業だが、気力が落ち余裕が無い時には結構応える。

辛い。

思いつきでいきなり山越えに計画変更したのは無謀だったと何度も後悔したが、今さら豊後高田に戻って海岸沿いを走る体力も残っていない。一漕ぎ一漕ぎ意地で走り続け、何とか走水峠に出た。
ここまで来れば一安心、後は国東までほぼ下りだ。道を間違えないよう注意し県道 55 号線を武蔵港へと向かった。

だいぶ下ったところでコンビニを発見、アイスと水を買う。アイスはあずきバー。旨かった。

コンビニが空いていたのでそこの店員さんに宇佐神宮から山越えをしてきたことを話したところ面白がってくれた。なんでも彼女も高校の頃同じ様なコースを走ったことが有るらしい。マウンテンバイクでツール・ド・国東に出たことも有るらしく、僕も参加したらどうかと勧められた。このレースについては自宅に戻ってから少し調べてみたが、なかなか面白そうだ。いつか参加してみたいものだ。

そして彼女から別れ際にかぼすを何個か頂いた。こういうのは何とも嬉しいものだ。いい土産になった。


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