河津桜が芽吹く東伊豆
天城越えラン T崎
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レポート本文

実施日 2013年02月11日 「建国記念の日」
名 称 天城越えラン
行 程 三島駅 ⇒ 狩野川サイクリング道路 ⇒ 修善寺 ⇒ 淨蓮の滝 ⇒ 天城峠 ⇒ 河津
走行58km 道筋の難易度「ふつう」
集合場所 JR三島駅10:00集合、10:30出発
担 当 N川
報告者 T崎、O湖
参加者
機 種
N川、U佐美夫妻、T崎、O湖 5名
700Cロード2機、700Cクロスバイク2機、26吋クラブモデル1機
天 候 晴れたり曇ったり、強い向かい風 体感温度寒し

向かい風との激闘だった伊豆半島縦断

N川リーダーと熱海駅で合流.三島行の電車の中で,「晴れていると,家から自転車で出たくなっちゃいますよね〜」と意気投合.そう,私たち,晴れていると,じっとしていられない人種のようです.自転車好きの人たちはみんなそうですよね〜.YMCCのメンバーの顔を思い出しても然り…違うって人います?


三島駅でO湖さんを発見!続いてU美さん,Nささんも.お二人は「今日もよろしく〜!」とお互いにご挨拶!
↓(しているわけじゃないんですけど,そうとしか見えません)

走り出す前に,「ストレッチをやります」とO湖さん.TCAのHPに出ている,気持ちのいいストレッチ.各部30秒.皆まじめに取り組んでいます. O湖さん,全部覚えていてすごいな〜と思っていたら,Nささんのストレッチ姿を見てO湖さん,「身体柔らかいですね〜.」「私,軟体動物ですから.」とNささん. すかさず「俺は変態動物だ!」と胸を張ってN川リーダー.やだ〜N川リーダー,笑っちゃって,どこストレッチしてるんだか分からなくなっちゃうじゃないですか〜〜!かくして,軟体動物,変態動物を含む一行5名は,天城峠へと出発〜!今日も全員,絶好調.

私,自分のJRスイカをしまった場所は忘れるけど,ランの途中で何があったかはよ〜く覚えてます.

西風と聞いたのですが,正面から風が吹いてきます.なかなかスピードは出ません.途中,身を屈めながら走行しても,思うようには進めません.ま,エネルギー使えば,いいんだ.エネルギー源は余ってるから…この辺に…(と下半身を見る)

修善寺駅周辺で,昼食.4月のクラブラン冷川峠の時もこの辺りで昼食を取りましたね.見覚えのあるお店が.でも,そこはまた今度にして,今回は「ラーメン屋!」思い思いに注文,平らげます.「ご馳走様〜〜〜〜!」と,トイレに入ったら…あらあら,こんなものが…とりあえずポケットにしまって…後でのお楽しみ〜〜.

ヨモギ餅休憩.ここでさっきポケットにしまった修善寺伝来の巻物,トイレットペーパーの撮影会.O湖さんの高性能カメラだから字も読めます…よね.ありがとうございます〜

「自転車も車両です」「知っていますか?自転車の交通ルール」

ちぎっちゃったから,トイレットペーパーに見えないって?残念!ロールごと持ってきちゃえばよかったなあ〜〜(今度,そんな時はお店の人にお願いします)

そこからはず〜っと上り坂が続く.だらだらと続く.Nささん,頑張ってます.後輪のギアの歯数が少ないのに,すごいな〜.U美さん,Nささんを励ましてます.愛があっていいなあ〜〜美しい!ご馳走様〜〜〜〜


浄蓮の滝到着!「体力温存のため休憩しているね」とU美さん,Nささん.T崎N川リーダーにお願いして,二人で滝見物に.水量が多くてきれい!水の流れる音っていいですよね〜(トイレの水じゃなくって自然の水ね…).この間,O湖さん,Nささんに自転車講義!ギアの歯数やステムの長さ云々…「あ〜っ!自転車が倒れる〜っ!」一陣の風に煽られて,自転車が倒れた(と後で聞いた).この風がO湖さんのジョッキープーリー破損の原因.O湖さん,愛車の傷大丈夫?T崎のベルも破損.ま,ベルは一度も鳴らしたことないし,これからも使わないからから大丈夫.


まだまだ登りが続く.途中,山葵田も見え,だんだん山の景色に囲まれてきた.日も大分傾きかけたころ,天城峠直前で小休止.ここからは下りになるので,温かく着込もうってことで.ダウンヒルはN川リーダーの独壇場!N川リーダーは今までの最高時速57km/h以上でるかな〜なんてワクワクしてる.恐ろしいこと言ってるな〜.あれこれ着込んで出発〜.先頭からO湖さん,T崎,Nささん,U美さん,トリのN川リーダー.車も少なく,車道に大きくはみ出しながら車体を倒しつつコーナリング.「O湖さん,かっこい〜!真似してみよ〜」皆さんのダウンヒル姿,撮りたかったな〜でも難しいですよね,いつかのK林さんみたいにヘルメットにカメラ付けないと…ざ・ん・ね・ん!自分のもいつか見てみたい.

河津到着!さくらも良いけど,花より団子,おなかも空いたねってことで,反省しない反省会.お魚たくさん食べて帰りましたとさ.めでたしめでたし.今日も最高の一日でした.皆さんに感謝!

旅って人生だと思うんです.今回の旅も人生のほんの一部.行きたい人たちが行きたいところに向かって,一緒に走れるって,自分の力で走れるって,時間を共有できるって,人生を共有できるって本当に素敵!それが私にとって自転車の魅力.ますます自転車の魅力にとりつかれちゃいます.

エピローグ(Nささんからの書簡より)
その後、私は自転車の後スプロケットを「RUN」で25Tから32Tに交換しました。 近所の坂で練習したら、行けてる感じでした☆足がぐるぐるまわりました♪

めでたしめでたし,どんと晴れ



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強風の天城峠まさかの変速器損傷

 本日は天気晴朗なれども風強し。三島から狩野川の堤を修善寺に向けて進行していますと、強い向かい風に思わず身を屈めました。こりゃ苦労するなあ、まだ走り始めたばかりだというのに…。大柄なN川さんに続いてU佐美さんカップル、T崎さんと段々小柄になって一列に進む、ロシア人形マトリョーシカのような小集団。これをわたしは後方から眺めつつ思っておりました。わたしは雁行する5機編隊の最後尾、いちばん有利な位置で風圧を避けながら巡航しています。しかし向かい風による燃料消費は著しく、筋肉中のグリコーゲンも減少の一途です。

 約20km走行して修善寺で昼食を摂った補給後も、走り出してすぐに空腹感を覚えるくらいです。このころには先頭交代して、わたしが前方へ出て風除けになっておりました。
 すこし行って明徳寺参道にあるお茶屋さんに寄り、名物の草もちをいただきました。このお店には駐輪場所があり、鉄パイプを渡した簡易な「馬」にサドルを掛け、チャリを吊るすようになっています。正立用スタンドを持たないロードチャリには親切な設備ですし、きれいに並んで吊り下げられた機体はおしゃれな感じでお客さんを誘います。街中で美容院の前に看板代わりのロードやらピストが立て掛けてあるでしょ、なんとも画になるああいう感覚ですね。
 このお店では草もちを七輪で焼いて、お茶まで付けて提供してくれます。さらに1ヶの正価120円のところ、サイクリストには百円に割引してくれるのが嬉しいですね。丸木の腰掛に座ってこれを頬張っておりますと、通りがかった家族連れの乗用車が寄ったりして売れ行きもよろしいようで。わたしたちも「草もち美味しいですよ」と声を掛けてお手伝いなどしました。まあマネキンというかサクラみたいなものです。

 

 天城峠に近い淨蓮の滝にも、鉄パイプ製の簡易な駐輪馬が備え付けてありました。この馬はすでに先客で定員近く、チャリが鈴なりになっています。きっとこの地域では町おこしのチャリングキャンペーンを張っているのでしょう、多くのお客さんを呼び込めることを願います。
 わたしの愛機は荷物をサドルバッグに収納したクラブモデルなので、馬に吊り下げるにはサドルの強度が心配です。それで椿の花が咲く生垣に立て掛けました。同行のYMCC会員もここへ重ねていって列線駐輪としました。

 瑞々しい濃緑の葉の間から顔を出す深紅の椿の花は、みごとに対象的な補色関係にあります。これらをカメラに収めておりますと、突如一陣の旋風が巻き起こりました。ファインダーのなかでゆっくりと愛機が倒れていきます。西日を反射して傾くフレーム。濃緑の葉々と深紅の花との対比。一瞬ですが周囲の時間が止まったかのように思えました。
 続いて起こる金属の衝撃音の連鎖、周囲から沸き起こる悲鳴とも似た喚声。   気がつけば、列機が目の前に累々と横たわっておりました。ヒューマニストを自称するわたしも、こういうときは我が子が可愛いです。まっさきに愛機に掛け寄り抱き起こしました。見れば革サドルの表皮が削られて傷になっています。自慢の仏イデアル社製「イデアル90」軽合金ベース革サドル。すでに30年ほど前に絶板となり、国内はもちろん本国でも希少な逸品です。自分の肌よりも入念に手入れをしていたのに…。

休憩は終わり、わたしたちも気を取り直して再び走り出しました。峠までは緩い上り勾配をあと5km、楽勝ですね。
 …ん、なにかおかしい。踏み込むと後変速器のあたりでカチカチと妙な異音がする。それにひと踏みする毎にチェンが引っ掛かるような感触もある。
 後輪フリーホイルを最大歯に変速して軽くすると、変速動作が大きすぎてチェンがスポーク側に噛んでしまいます。ならば倒れた際に後変速器を強打し、フレームの右エンド部(後変速器取り付け部分)を内側に曲げてしまったのでしょうか。
 日頃の調整で絶妙な変速動作を保証されていた後変速器、仏サンプレ社製「LJ」。これがいまは性能を発揮できず、クランクのチェンリングと後輪のフリーホイルをチェンで連結するだけの作業ですら喘ぐようにしているのです。

 それではと、そのまま一段ずつ最小歯に落としていくと、すべての歯で異音が消えません。異音の原因は、どうやら後変速器の天秤型プーリーにありそうです。上側のプーリーを「ジョッキープーリー」と呼びまして、これがフリーホイルに接触して音をさせているようです。
 ジョッキープーリーとは、後変速器がチェンを脱線させて変速する様を競馬の騎手(ジョッキー)が馬を右へ左へと走路を変えて走らすように見立てたものだそうです。ちなみに下側のプーリーは「テンションプーリー」と呼びます。これは読んで字の如し、天秤部支点のスプリング張力を用い、このプーリーがチェンの弛みを取る役目を持ちます。

 ならば倒れた際にチェンのテンションをとる機構が破損したか。この変速器は、サンプレ製品の特徴であるダブルテンション機構を持ちます。すなわち天秤部と、変速器のパンタグラフ本体の上部(フレームの右エンドとの取り付け部)の二箇所に張力機構を有する、優雅にして複雑な構造をしています。
 不調の原因はこれらのうちのいずれか、またはその組み合わせによる二重苦,三重苦かと推察されました。

 念のため、クランク側のトリプルチェンリングも外から内へ繰り返し変速しましたが、やはりすべての段で後変速器より異音が発生しました。まあ、騙しだまし行けばゆっくりですが走れますからね。これ以上損害を大きくして、走行不能にならぬよう留意すればよろしい。なんとか峠まで辿り着けば、その先は目的地の河津まで20kmの豪快なダウンヒルです。変速器に負担を強いないよう踏まずとも、滑走により海岸まで降りて行けるでしょう。  メカオタクとかメカフェチと呼ばれるわたしが故障に動揺しては、全体の士気にかかわりますから、うわべは平静を保ちつつ腹のうちは最新の注意を払って慎重に歩を進めました。

 ようやく天城峠に到着です。予定していた旧道は割愛して、日の暮れないうちに下ることにしました。西日の傾くなか、山の日暮れは早いです。頭上の空間だけは明るいけれど、いつの間にか周囲は光量が落ちて、ストロボを焚かないとカメラは撮影できないくらいに薄暗くなっていました。
 ここで初めて自転車を降り、問題個所を仔細に眺めました。淨蓮の滝から約5km走行する間、機上から診立てた推測と実際の症状とが合致するだろうか。果たしてジョッキープーリーがフリーホイルの歯に干渉していました。異音の直接の原因です。ではなぜこのようになったかというと、後変速器がチェンのテンションを取りきれないからでして、これは速速器のアッパーボディ(右エンド側)に内蔵されたテンションスプリングが切れたか外れてしまっているのでしょう。修理するとなると大手術ですし、まさか予備のテンションスプリングなど持っておりません。あとは下り坂を勢いにまかせて降りて行くだけですから、変速器不調のままでも支障はないだろうと、小集団の態勢を整えてすぐに飛び立ちました。

 河津まではほんとうにあっという間でした。ループ橋はいつ行っても愉快です。ぐるぐる2旋回して急降下していく緊張感は全国随一、自転車乗りには得がたい体験となりましょう。日没ぎりぎりでしたが、明景「河津桜」も見物しました。  後日自宅の格納庫で変速器を修理しました。ジョッキープーリーを予備と交換し、変速器は取り外してアッパーボディのテンション部を調整し原状回復しました。テンションスプリングは、折損を免れていたのが幸いでした。

−O湖−


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