最終更新日: 2007年2月24日
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冬の沖縄・やんばる紀行 3日目

名護を目指して

朝の4時に目がさめる。まだ昨日の余韻が体を駆け巡っている。ロビーへ行ってみるとのれんが緩やかに揺れている。宿帳を開いてみると年末年始も大勢宿泊した様子であ。一応私も記入した。まだ真っ暗なので再度布団に入る。

「朝ごはんできたよー」の声で目がさめる。もう8:30である。囲炉裏のまわりには男性陣2名がすでに食事中。私も仲間に入り、おいしくいただく。昨晩私の横にいた人は、少し飲みすぎたようで調子悪そう。私が進めすぎたかな・・と一瞬思う。それでもごはんをおいしくいただく。「今日は追い風だからベニヤ板背負って走るといいさー」と私は、「海に落ちちゃいますよー」と答える。主人は「昨日も言ったねー」と朝から絶好調。しばらくしたらJ夫妻も「おはようございます」と囲炉裏の仲間になった。
食後散歩しているとねこが二匹やってきた。たしかこの宿にはシータという看板犬がいたはずであるが今日は猫がお出迎えである。木に登ったりじゃれついてきたり猫にしては愛嬌が良い。

宿の回りを散歩したり、庭で自転車掃除していたらあっという間に10:00になってしまった。そういえばまだ宿代を払っていなかった。主人を捜してもいない。やっとのことで出かける間際のご主人発見。「宿代払わず出かけるところでしたよー」と言うと、「追っかけていくさー」とにこにこ。それからほかのお客さんの部屋へ行き宿代徴収。なんとおおらかなこと。奥さんはとっくにお出かけ。ご主人も今晩の買出しにでかけるとのことでした。
男性一人旅たちの車を見送り私も10:30出発。

今日は名護まで走るだけなのでのんびりではあるが、少しのんびりしすぎた。しかし天気も良いし、何より追い風。まず辺戸岬目指して走り始めた。途中の坂道で一本だけひかん桜がすでに開花しているのが目にとまった。10キロ近く走って12:00辺戸岬到着。ここですごい物発見。ツーリングタイプの自転車に4サイドのバッグ。それも半端ではない大きさ。明らかに日本一周モードである。
岬の周辺を回ってみるとその主発見。自転車の主は小柄で温厚そうな青年であった。滋賀県出身の彼氏は、昨年北海道をスタートに日本海側を南下。そして現在ほぼ中間で、今年の秋ごろには盛岡にゴールする予定とのこと。それまでに日本全県を回ってみる計画だそうである。もしかしたら関東近辺で遭遇するかもしれない。お互いの旅の無事を願って分かれる。

次は茅打バンタと呼ばれる場所へ向かう。名所になるだけあり景色が良いところであった。茅を投げ込んでも下から吹き付けられる風のため茅が巻き上げられるほど険しい崖(ダンパ)というのが名前の由来らしい。一面の海原が広がり、これから走る海岸線が遠くかすむまで続いている。幸い今日はかなりの追い風、順調に走れるはずである。茅打バンタの展望台から細い急な下り坂を下り、58号線に合流する。
追い風に助けられ12:40宇嘉(うか)、13:30辺土名(へんとな)と進む。58号線は各集落をバイパス的に通り過ぎるが、集落の入り口でそちらに入ると昔ながらの家並みを楽しむことができた。独特のつくりである「ひんぷん」は石垣だけではなく板塀であったり生垣であったりいろいろあることが観察できる。また各集落にはお決まりの共同売店があり、こちらもいろいろな表情を見せている。残念ながら今日は日曜日のためどこも閉店である。

辺土名でも58号線からそれて町の中へと進んでみる。国頭村の役場がある町でかなり大きい。ときどきジョギングしている人も見かける。と思って走っていたら前方に大勢の人の姿が・・・何かイベントがあるようである。「辺土名成人会新春駅伝大会」であった。おりしもにぎにぎしいファンファーレと共に開会式が始まり小中学生から年配の方まで学校の運動クラブや職場や地域のサークルなど約20チームほどが参加する地域の一大イベントのようである。まもなくスタートであったが、その場所を後にする。

途中大宜味の民宿や、道の駅などを覗きながら快調に進む。塩谷湾にかかる宮城橋を少し進むと民宿&食堂「マリン」がある。14:40到着。ここで遅い昼食を・・・と思っていたが残念ながら「本日貸切」で入れず。まだ準備中のようであった。次回は海岸側にあるテラスで是非食事したいものだ。ということで休息後また走り出す。

源河の交差点に到着。ここは昨日東海岸に向けて通過した交差点である。ぐるっと本島北部を一周したことになる。ここからまた少し進むと屋我地島への分岐点、真喜屋交差点。15:05到着。ここで通過時間を記録していたら、後ろから車のクラクションが鳴る。「何かな?」と思ったら昨晩同宿だった一人旅青年であった。車であちこち見物してきたのであろう、屋我地島の方からやってきた。偶然の再会にお互い笑顔で挨拶を交わした。
ここからは名護市街に近づくにつれてしだいに町並みが都会らしくなってくる。それでも極力裏通りを進んでみると生活に密着した個性的な店が点在している。最後の丘を越え大きな通りを進んで名護バスターミナルに到着した。ゴールである。

帰りのバス時刻を確認してから、一昨日スタート前に訪れた「パーラーわかば」へ行ってみる。が、残念。日曜日でお休み。しかたなく途中にあった「宮里そば」で今回の打ち上げである。にぎやかな店内の中で三日間の余韻にひたりながらそばをいただいた。三枚肉そば500円、ごはん100円也。
予定していたバスより一本早い16:45発のバスに乗車。一路那覇空港へ向かった。

二泊三日の沖縄ランはあっという間に終わってしまった。短い時間ではあったがいろいろな出会いやふれあいがあった。何より冬の真っ最中に思い切り走ることができたのは何よりである。今回パスした見所やコースをまた訪れてみたいと考えている。

                                        Onodera