最終更新日: 2009年6月17日
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欧のほそみち2009年5月21日~6月10日

パリからブダペストまで6カ国(独、仏、チェコ、オーストリア、
スロヴァキア、ハンガリー)1,386km

多くの動物と違って、霊長類の目は顔の前面に平行についている。ということは焦点を結ぶことが出来るわけだ。ということは方向と距離を観念できることになる。特に人はHereとthereを区別できる。未知の方向が分かるのだ。どこか未知の所に行きたくなる、旅をしたくなる。これは人の固有の特権と言える。旅をしない人は人間の特権を放棄しているのだ。

地図にはinteresting placeと very interesting placeが表示されている。中には期待を裏切る街もあるが、時としてノーケアの街で素晴らしいのに遭遇することがある。ひどく得をしたような気になる。例えば今回のPoysdorf(オーストリア)。
町に着くとまず中心にある或いはDuomo前の広場に行く。それから街を一巡して元に戻る。その町に泊まる時はHotelの目星を付ける。近くに古めかしいHotelが見つかれば幸いだ。多分一階がレストランになっていて、夜は町の人々のサロンになる。部屋を取ってシャワーを浴びて散歩に出る。ちょっとした偵察気分だ。市場があれば必ず覗く。住民の生活のありようが肌で感じられる。一巡りして元の広場に戻ってくる。とたんにその町と何やら縁ができたような気分になる。

今回は空港から直接モウ(MEAUX)のホテルに向かう。
一旦パリに入るとその魅力に取り憑かれて、最低2日3日は出てこられなく恐れがあるからだ。
それからブダペストまで6カ国(独、仏、チェコ、オーストリア、スロヴァキア、ハンガリー)、1,386km(1,500kmの予定だったが悪天候のため列車を何回か使った。我輩の自転車は泥除けが付いていないので、雨が降ると羽をもがれたキリギリスと同じで飛ぶことも泣く事も出来ない。)、5/21~6/10の21日間の旅、題して欧の細道。

宿泊は一つ星~三つ星ホテル8、ペンション4、ユースホステル4、ダウンタウン バッグパッカーズ ホステル2、個人のお宅1泊だった。
食事は独を除いてとても美味だった。特にフィッシャメント(オ)のウィーナー・シュニツツエル、ゾーリンゲン(独)のアスパラ、チェコの片田舎のデリカテッセンで食べた焼きそば風パスタ、プルゼーニュ(ピルゼンとも呼ばれ、ピルスナービール発祥の地、チェコ)のタルタルステーキ、ブダペストのフォアグラ。

酒はワインが旨くて安い。これは罪作りな話だ。どうしても昼飯時に摂ってしまう。オーストリアのPoysdorfはワインの村で、1杯0,9?。大概は1杯150~300円見当。エスプレッソはそれより10%安い。西欧高の中欧安、大都市高の地方安。今回の旅の楽しみの一つであったトカイ(tokaji)は世界三大貴腐ワインの一つであり、デザートワインとも言われている。3ポイント~6ポイントまであり、ポイントが多いほど甘く、値段も高い。我輩には3ポイント物がさっぱりしていて一番口に合う。ハンガリーのエステルゴム(スロヴァキアとの国境)で1杯300円で飲ませてくれた。香と言い、味と言い、馥郁として言いようがない。まさに「行脚の一徳存命の悦、羈旅の労を忘れて、泪も落るばかりなり。」だ。ブダペストの中央市場で500cc入り1本2,000円弱で購入。
現地の地酒も試してみたが、どれも今一であった。スーパーではワインが1リットル入り1本5~600円見当の物が一番多かった。安い酒と高いタバコ(日本の1.5倍)、どちらが身体に宜しいかつくずく考えなければならないと思った。
因みにガソリンはどこの国でもリッター当たり130円以上していて、市民生活にとって大変なことだと思った。

中欧の大都市をうろついていると、必ずタバコを無心してくる輩がいる。モク拾いも少なくない。
チェコとスロヴァキアにはバルとかバール(bar)が無くて不便この上なし。水も買えない。外飲食は大都市以外はあまりしないようだ。イタリアとかスペインのように朝から訳も無く唯集合してお喋りをしているような事は無い。
今回巡った中ではチェコが一番貧しいように感じた。車はポンコツ、民家も豊かさを感じさせない。プラハやブルノ以外にはこれといったストックがない。
しかしパリを含めた仏以外は村、町、都市、皆清潔だ。

中欧の大都市では英語が通じるが、田舎では独語さえ通じない。ボディーランゲージの出番だ。土日でも郊外にドライヴするようなことは少ないようだ。
チェコとスロヴァキアの村では今や懐かしの有線放送のスピーカーから歌が流れてくる。景気づけかもしれない。
中欧では道路工事のときに迂回道路の設定や切り回し、お知らせ看板の設置が全く無く、わけが分からなくなる。幹線道路でも交通標識が極く少ないので、分かれ道に来ると困ってしまう。
今回は3回ハイウエーに入った。一度パトカーに捕まり、追い出された。

旅の終わりに近づくと虚しさ、寂しさ、荷造りを終えた時の寂寥感が充実感、満足感とが同時に漂う。
無事故、息災にて帰国できたこと、感謝。

道路とサイクリスト

・発音が分からないので地名が頭に入らない。標識は全て現地語(日本のように他国語は一切無い)。細心の注意が必要。
我輩の自転車はNice bikeと注目され、いろいろ質問された。

・仏の道路作りは下手くそ。線形は地形を無視して直線指向。反面縦断勾配は地形なりで、橋、トンネル、切り通しはない。路面は極粗粒のオーヴァーレイ、しかもそれが剥げチョロ。

・独は流石。幹線道路わきにはサイクリングロード併走。しかしサインが小さな地名で、方向性が分からない。折れ点や分かれ道で方向を失う。サイクリングロードを走ると必ず迷子になる。ハイデルベルクは自転車であふれ、老若男女皆快走。本屋が多い。

・チェコの大都市近郊はサイクリングロードが整備されている。サイクリスト散見、土日は多い。荒れた箇所もあるがおおむね良好。

・オーストリアは独並み。

・スロヴァキアにもサイクリストはいるが、多くは実用車。道路はこまめに補修されているので走りやすい。しかし道路標識が極少。

・ハンガリーはブダペストでさえガタガタ道。街中は自転車レーンが上下に区分されている.

Nakayama