プライベートランレポート
真夏の房総 養老渓谷
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レポート本文

猛暑8月のある日曜日、学生時代のチャリ仲間と養老渓谷方面を走りました。 内訳はスポルティフ2機、ロード2機、ランドナー1機、クロスバイク1機、MTB1機の合計7機(うちロード2機は途中合流)。 それぞれが自慢の愛機を持ち寄りました。(図1~3)


図1

図2

図3

内房線五位駅より離陸し久留里方面へ向かいます。 なんといっても参加者の編隊走行が巧い。 わたしは最後尾について眺めておりましたが、車間距離が絶妙に詰められ、まるで1本の連結車両のようにまとまっていました。 そして手信号の徹底。 停止の合図がしっかり後方に伝わるから、車間を詰めて走っていても安心できました。 これにはいたく感服です、こおいう走り方ができるというのは相当な手練れ者揃いです。 さすが学生サイクリストあがり、歳はとっても技術は衰えませんね。

左右へくねる長い下り坂を1番機のU山氏、3番機のS原氏がコーナーをリーンウィズ姿勢で駆け抜けて行きます。 さすがS原氏、現役時代は「下りの帝王」と呼ばれていただけある。 タイヤサイドまで接地させて、まるで隼のように前傾姿勢のまま降下する姿勢がじつに美しいです。

対して2番機K松氏、4番機I籐氏とその後方わたしはコーナーをリーンアウト姿勢で。 機体をなるべく傾けず、上体をコーナー中心部へ寄せるようにせり出して曲がって行くのが基本です。 さらに本格派は、内側の下肢を「くの字」に開きます。 前方の2、4番機が逆光に「くの字」のシルエットを浮かび上がらせて降下するのがこれまた美しかった。

後方のN口夫妻が気になるが、降下速度が速くて振り向いて見ることができなかったのが残念でした。 夫婦でロード行ってのはじつに画になっておりましたね、睦まじくて羨ましいもんです。

少し先の四辻で待ち合わせ休憩したとき、N口旦那氏の指摘がありました。 なにやら前輪の一部が膨れているとか。 なにげにスポルティフの前部を持ち上げ車輪を廻してみると、700C・WOタイヤのトレッドの一部が剥がれかけております。 もともとトライアスロンの決戦用にしていたこのタイヤ、軽くてサイドウォールがじつにしなやかです。 退役してツーリングに使用していたのですが、この暑さで熱せられたアスファルトに薄いトレッドゴムは耐えられなかったようで。 6気圧充填していたので、剥がれそうな部分が破裂寸前に膨らんでいたわけです。(図4) だけどブルメルのセルロイド製泥除けが死角になって走行中は気がつきませんでした。(図5) 危いところでした、この暑さでこのまま行ってたらタイヤごとバーストして落車の憂き目に遭うこと必定です。 在学中「走り屋・強健派」と呼ばれたN口氏、鋭い観察眼には感謝かつ脱帽ですね。


図4

図5

あわてて前輪の空気圧を膨らみが気にならない程度に落としたところ、3気圧くらいに減ってしまいました。 これほどの低圧では、タイヤが腰砕けしてまともに走れません。 コーナリングで注意しないと、前輪から滑りだすでしょう。 以後なるべく自分の腰を引いて後輪荷重とし、前輪には急舵角を与えず機体を傾けずして騙しだまし走ることにしました。

ここでN口夫妻は機首を巡らし、移動の母艦としている車両の駐車地点へと帰還していきました。 航続距離を勘案するとこの辺りまでが適当でしょう。 本隊は久留里付近の「森酒造」に寄り、酒蔵見学です。(図6~8) ところがこれも暑さのため、途中エンジン不調続発となり僚機が次々と不時着しました。 ご存じのとおり、房総内陸部は山と谷の連続です。 不調となったエンジンでは、この山越えをするための高度を稼げないのですね。 彼らは久留里駅にて輪行、残ったI藤氏とわたしの2機で養老渓谷を目指します。 輪行組は、ほどなく救援を要請したタクシーに収容されたそうです。 さすが学生サイクリストあがり、技術はあっても歳をとったら体力がない。


図6

図7

図8

久留里から養老渓谷へ入った地点で、前方11時の方向に旅館街の案内看板を発見。 その看板で旅館「嵯峨和」の所在を確認するため、通過寸前に前機が減速しつつ左旋回しました。 つられてわたしも後ブレーキだけで減速…。 前輪を沈ませないよう前ブレーキを使わずに左方へ緩旋回したつもりがちょいと間に合わなかった。 前タイヤにサイドフォースを与えたら滑るというのは、頭ではわかっていたつもりでしたけどね。 前機の動きに連られて先に脊髄が反射してしまいました。 限界以上に舵角を与えたので、過重に前タイヤが耐えきれず捩れたその瞬間です。 前輪が滑り機体は失速、機体もろとも操縦者は墜落の憂き目に。 お~痛っ、不覚を取った。 でも外傷もなく損害も軽微だったことに感謝、思わず苦笑です。

旅館で入浴、皆さん明日の仕事もありますので宴会をしてその日は帰宅しました。 わたしも翌日は「港サイクリングクラブ(MCC)創立60周年記念パーティ」に出席です。 帝国ホテルで開催ですって、格式ありますよね。

小湊鉄道養老渓谷駅で最終列車待ちしているとき。 発車時刻にはまだ小1時間あります。 K松氏が気を利かせて紙コップを調達し、お土産で買ったはずの清酒が2本も供されました。 これは効いたなあ、宴会ビールの余韻もあるしハイオクタンだから即効でしてね。 待合室でいったい何を話したのやら、誰もが泥酔です。 駅舎に住まっているのでしょう、母猫の駅長さんと子猫2匹の助役さんが応対してくれたのが脳裏に記憶されております。 S原氏がお礼にイカの燻製を差し出しておりましたが、彼らが腰を抜かしたのではないかと帰宅してから心配になりました。

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