愛鷹(あしたか)林道ラン
2009年10月18日
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レポート本文

N島

2009年10月18日


写真1
5月の雨天中止のリヴェンジに10時に沼津駅に集合したのはN島、O湖さん、N久さん、O湖さんの後輩のK松さんの四名。 林道に食べ物は無いのでコンビニで買い出しを済ませて10:25出発。(写真1) それにしてもロード2台、ランドナー1台、MTB1台ではダートの林道に行くようには見えないかも。

写真2
沼津インター近くのホテル街をのぼり、ゴルフ場の合間をひたすら登る事2時間。 林道入り口に4人そろったのは12:20(写真2)

写真3
10年ほど前に来たときには無かったチェーンが張ってある。 しかし手でチェーンを持ち上げれば難なく通れてしまう。 事故があっても責任持ちませんよという印なんだろう。 昼ごはんにするのにいい頃合いなのだが林道を少し入れば景色が広がるはずなので我慢して進むことにする。 がなかなか眺望が開けない。 10年の間に木が成長したのだ(写真3)
林道脇に草むらスペースのあるところでお昼にする。

写真4
駿河湾の見わたせるポイントはほんのわずかになってしまった。 以前よりうっそうとした森の中という感じのところが多くなった。 そういえばマウンテンサイクリングイン乗鞍のゴール地点に熊が出たそうなと思ったとき前方でなにやら動いている! と思ったらそいつは崖の上に飛び乗りあっという間に薮の中に消えてしまった。鹿だ! こんなインターに近いところに野生の鹿がいるのか。いやーびっくりした。
丸太の積んであるところで記念撮影(写真4) 林道は本来林業の為の道なのだ。 もう下り基調になって来ているので林道出口が近いはず。

写真5
14:10林道から出ると茶畑が広がっていた。(写真5)

15:32原温泉「ざぶーん」着 温泉とビールだ! 18:45原駅まで自転車を押して行き、解散。

N久さんは初めての林道をよくロードで走りきったものだ。 私は前サスつきのMTBなのでらくちんであった(楽過ぎかも)。

わざわざ舗装してない林道まで来て自転車で走る事にどんな意味があるのか。 人それぞれなんだと思う。 私はひさびさに林道にくるとどこかほっとするところがある。 また何年かしたら来たくなるだろう。

N久 - 初めての林道ラン

ロードバイクでの参加が可能か事前に打診したところ、「技量のある方でしたら走れないことはないと思います」とのことだったので、ロードバイクでの参加となりました。毎週のようにテニス、卓球をやっており体力には自身があったので、かってに「技量」を「体力」に置き換えて参加したのですが、技量未熟を実感したツーリングでした。

登りは砕石の急坂

赤ちゃんの拳大の砕石が敷石に用いられていました。砕石という石は角が刃物のように尖っています。この敷石が、半分土に埋まり、あるいは2重3重に重なっていて、轍と急坂が重なり、私にとってはかなり難易度の高いロードでした。

下りは水溜りと砂利道の急坂

登りでは見られなかったのですが、下りは前日の雨でぬかるんでおり、轍に水が溜まったところと乾いた砂利道が交互にあらわれ、ハンドリングとブレーーキングが難しいロードでした。敷石が砕石でなく、川砂利だったので少し助かりました。翌朝、親指の付け根の盛り上がっている部分が内出血をしているのに気づきました。ロードバイクでの砂利道の下りのブレーキングは難しい。

必要なのは体力と技量と、もうひとつ

もうひとつは、的確な状況判断だと思います。「敵を知り己を知れば百選危うからず」ですが、敵は想定外の奇襲を賭けてくるときもあります。この想定外の事象にどれだけ適切に対応できるかが生死を分けます。

丸太が10本程度横になった橋がありました。大型自動2輪の試験コースにあるのとほぼ同じものです。ハンドル操作でなく重心移動でバイクをコントロールする必要があります。この橋に続いて鉄板の橋があり丸太橋さへクリアすれば楽勝のはずでした。丸太橋を何とかクリアした、そのとき、(私にとっては突然に)、この鉄板は縦に2枚敷かれており、中央に数センチの裂け目があるのが判りました。前の丸太橋ですでに身体のバランスが崩していたので、これを避ける動作をすることができませんでした。

結果的にはこの裂け目は避けられたのですが、裂け目に車輪を落としていたときの結果は目に見えていました。運がよかったとしかいいようがありません。林道は自転車のために作られた道ではありません。私にはこのような状況は想定できなかったし、危機が迫ったとき、それを回避する技もありませんでした。

体力と根性だけでは林道は難しいことを実感しました。

野草

私の趣味は野草の花を撮ることです。今回のランではお昼の休憩場所で竜胆(リンドウ科リンドウ属)と千振(リンドウ科センブリ属)の写真を撮ることができました。休憩所の直前は急坂だったので自転車を押して登っていました。それでこれらの花を見つけることができたのですがラッキーでした。


竜胆

千振

最後に

サイクリングの初級者として私見を書きましたが、ちょっと大仰に書いて気恥ずかしく思っています。非常に充実したツーリングでした。多くの助言を頂いた同行のサイクリングの先輩に感謝します。

K松(HCC) - 愛鷹林道

HCCのOB用ML(メーリングリスト)で大先輩のO湖さんからお誘いを受けて、来週土曜日(10月24日)の富士スピードウェイでの「富士チャレンジ100」kmレースの練習(足慣らし?)を兼ねて愛鷹林道ツーリングへ参加させていただきました。 

当初、YMCCさんのプライベートランとは知らなかったので、見慣れたO湖さんのメビウスの横にある2台、MTBとロードバイクに「??」でしたが、N島さん、N久さんに温かく迎えていただき感謝してます。

さて、御殿場在住の私としては地元なわけですが、ダートの愛鷹林道は未経験でした。 おまけに自転車は大学一年の時に作った、27年物のランドナーです。エンジン(乗り手)だってもうガタがきてる?復活組だし。

 案の定、沼津駅から沼津ICまでは何とか付いていけたものの、沼津IC名物の宿泊街を抜けたころから遅れだしました。林道入口までは乗ってるより押してるほうが長いくらいです。こんなんで来週のレース(「競走」とは思ってないけど:笑)は大丈夫かいな、と不安になります。 しかしながら、大学卒業以来の本格的ダートの林道が懐かしく新鮮でした。

登ってる時の苦しさがあるから、ピークでの昼食やティータイム、押してる時のしゃべりなどが一層楽しいものになりますね。

もちろん自転車のメカいじりも大好きなのですが、自転車は「目的」ではなく、こうして人と知り合いになるための「手段」だと思ってます(だって一人で走っても今じゃ楽しくないですから)。 走行後のお風呂→ビール一杯まで、一日がとても有意義で楽しゅうございました。

初対面のお二方の温かい心づかいに改めて感謝します。ありがとうございました。

O湖 - メカ遊び「愛鷹林道」

再びの挑戦となった愛鷹林道(クラブラン5月「愛鷹林道」参照)、今回も天候を窺いつつ少編隊での作戦です。

さて作戦用の機体を思案しますとMTBが適当かな、それともランドナーかな。 チャリングというのはこのときから始まりますね、これを考えるのがじつに楽しい。

このとき「未舗装路でも技量の限りを尽くして細いタイヤで走る楽しみ方もあります」と発言したことを思い出しました。 先般の『メカ編「鳥海山」タイヤの項』(クラブラン9月「プロジェクト鳥海山」参照)にて述べたことです。

あ~自分で言った手前これは実行してみせなければな。

あまり無責任な発言でYMCC会員を混乱させてはいかんし。

林道に700Cってのは異様な風体かとも思いますが、ここはちょっと傾ぶいてスポルティフにて参加してみようと思いつきました。

さてここで好きなメカいじり(メカ遊び)です。チャリはこれが楽しい面白い。 未舗装路ですからね、10km以上はあるそうですから。

まず考えることは安全性、快適性です。

1番目:路面に接するタイヤの選定。

2番目:山道を登るギヤ設定。

3番目:荷物の持ち方。

今回のコンセプトはこのあたりをどう表現するかということに。

タイヤ

タイヤはすこうし太くいたしましょう。23Cのものから28Cへ変更です。 ちょうどK又さんと物々交換で得た物があります。 鳥海山と同じく手慣れた交換作業、ものの数分で前後とも太め700Cになりました。

しかしながら仕上げがよろしくありません。 英ブルメル製のセルロイドガードとの隙間が狭くなり、特に後輪側が擦ってしまいます。 23Cタイヤならすっきりと隙間の空くのに、思わぬところで無理がありました。 ロードエンドですから、一杯に後退させればなんとか回るようにはなりましょうけど。 それでも前後ともクリアランスが狭くなるので、これでは泥土が詰まってしまいますね。

仕方がない、わたしの好みではないが残念ながら泥除けは外していこうか。 30年前のロードフレームなのに意外とチェンステーを短く詰めて出来ているわけです。 それなのにブレーキは近年のものでは腕が短くて使えないのですよ。

シートステイブリッジ、前フォークともリムとの間は大きく空いている古式設計です。 使用しているものはマファック・コンペティション、効き方もやんわりと奥ゆかしい旧式70年代後半のセンタープルブレーキです。

ギヤ

ギヤ設定は、フリーホイルを最大歯数24丁のものにボスタイプ・フリーごと交換しました。ワイドレシオになりましたが、前38丁×後24丁ならば未舗装の登りでも間に合うでしょう。

この5段フリーホイル、わたしが中学生のころから19歳まで使用しておりました。 こいつで横浜の自宅から北海道まで走って行ったこともあるんですぜ。 あちらへ渡ってからも苫小牧から帯広経由で釧路、根室半島、知床半島を巡って網走から旭川へ走った記念のフリーホイルです。

丁寧に使えばまだ走れるし、この当時は部品メーカーも多く、同じ規格で多種類の製品があって懐かしく思います。

現在は全世界的にチャリ界の覇者となった某部品メーカー、30年後にも使える(変わらぬ規格の)部品を製造してほしいと心から願います。

荷物

さて荷物の持ち方、これは簡単です。持たなければよいのですから。 標高は500m強、季節も寒くはないし雨も心配なし。 移動距離も全行程で35km程度なので、雨衣さえ持ちません。 ただし遭難しないよう天候だけは念入りに情報を得てからの出撃です。

ハンドル固定の小型フロントバッグには輪行時のフレーム巻き、スペアチューブ3本とタイヤレバー、日暮れた時用のLED前照ライト、同テールライトを入れるとほぼ満杯です。 この隙間に財布とチャリ鍵、コンパクトデジカメを潜り込ませました。

そのほか昼食は林道に進入してからになりますので、昔懐かしの「サコッシュ」に食糧を入れ肩から背中に掛けました。

同じく荷物の持ち方について、N久さんの工夫。

いつも細引き紐を携行されています、これがなかなか重宝するのですね。 例えば荷物を荷台に固縛するとき、また例えば列車輪行時に機体を車内の手すりなどに固定するときとか。

ご本人の自転車とその周辺に対する探求心にはいつも感心させられます。 この日も自作のフロントキャリアをご披露いただきました。

頑丈な格子様の折りたたみ式になっていて、拡げるとL字型の底辺が荷物を受けるように設計されております。 ここへ荷物を入れた袋を載せ、細引きで縛ると完璧に固定されるのですね。

フロントキャリアは市販のハンドル固定用アダプターを介してドロップバーに装着されますが、この材料は意外にも焼き肉用の「焼き網」だそうです。

また後部には市販の荷台を用い、荷物をデイパックに入れて固縛されています。

荷物を背負わずに自転車に積載する、この長所は身体の疲労を軽減し、全体の重心を下げて操縦性を低下させないことだと考えられます。 逆に短所としては荷台装着による重量増加、荷台携行による輪行時の着脱時間の増加が挙げられましょう。

これらを天秤に掛けて勘案するわけですが、基本は安全性、快適性ですからやはり荷物は自転車に積載するのがよいと思います。

ま、楽しみ方の問題ですから、こうしなければいけないということはありません。 荷物を身に着けることによって軽快な操縦を可能にする人もおられるでしょう。

走り方

当日集合場所の沼津駅頭、参加者はN島氏MTB、N久氏ロードバイク、わたしは泥除けのないスポルティフ。そして見知ったランドナーのチャリストが。

「あら○○さん、いったいどうしたの?」

「どうしたもこうしたもありません、先輩から誘われたから来たんじゃあないですか」

あ~そうか、彼の住む街が近いのでよかったらと声を掛けたつもりで掲示板に書き込んでおいたんだっけ。

彼はわたしの母校チャリ同好会の可愛い後輩でして、いまは社会人チャリストとしてまた青年実業家として東海地区で精力的にご活躍されています。 それにしても掲示版を見ただけで来てくれるなんて、このひと全く人が好い、純朴というか無防備なくらい裸の大将的な好人物です。

林道前半は登り勾配が多く、角の尖った砕石を散らしたかのような乾燥した路面。 後半は一転して泥濘の多い水の溜まった路面でした。 700C×28Cタイヤは、この前半の路面では石や土の間に潜りがちで、しばしば後リムが石に当たって大きく金属音を立てました。また上り勾配に接地面が滑り、駆動輪が空回りしがちです。

接地面にトレッドが刻まれていないタイヤなので路面を掴めないのですね。

下り坂では砕石でリム打ちパンクをしないよう身体を浮かせ、前後輪に体重の掛け方を均等にするような操法を心掛けました。

林道後半では泥濘にタイヤが潜り、これまたよく滑るのですよ。

なるべく泥濘にはまらないよう路面の締まった道の端を選んで走りましたが、谷側にガードレールが無いのでちょいと怖かったです。 滑る原因は舗装路専用タイヤだからですね、自明の理ではありますが、このような道にはやはりトレッドの深いものが適しているのでしょう。 総合的に判断すると、林道の前後を結ぶ舗装路の方が未舗装路よりも長いし交通量も多いので、舗装路型タイヤを選んでよろしいかと思いますが。

こと難しい路面を遊ぶ、メカを遊ぶとなると未舗装路の走行を尊重した型のタイヤを用いたら楽しかろうと思います。             

ようやく林道を抜けて機体を点検してみると、ハンガー部分に泥が山盛りに載っておりました。 平滑な接地面のタイヤでも意外と泥土を撒き上げるものなのですね。 気になる前後リムの振れについては、縦横とも無しで合格。 14番スポークの36穴ですからね、スーチャン製リムの強度も高いのでしょう。

まあ今回はなかなかスリリングな興奮を味あわせていただきました。 障害物のような渡り板とか落ち枝とかがあって、避けたり飛び越えたり走行技術も磨くことができました。

次回林道に行くときには、クロカン用のタイヤを入手して試してみたいと思います。

愛鷹(あしたか)林道ラン
2009年10月18日
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