最終更新日: 2009年8月2日
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夢のような二日間 滝越ミーティングに参加して
2009年5月2日~3日

2009年5月2日(土)~3日(日)

 今回名古屋「自転車で道を走ってみる会」(以下「走ってみる会」と記す)のお誘いを受け滝越ミーティングに参加させていただきました。
夢のような・・・と言うのは、一日目の白巣峠を越えるとそこは別世界。二日目に林道を駆け巡り最後に鞍掛峠を降りると現実の世界に戻る。そんな印象を感じたからです。

5月2日(土)
 朝4:00起床。目覚ましは5:00にセットしたが、やはり出かける時は早く目が覚める。
持ち物をチェックしいざ出発。最寄り駅まで走り、駅頭で自転車を輪行袋に収納する。予定通りに品川で新幹線に乗車301号に乗車する。連休後半初日とあってかなり込み合っている。7:48名古屋着。しなのに乗り換えるためにホームを移動。無事輪行袋を客室端の荷物スペースに格納する。ここで今日・明日本州横断後編にチャレンジする弥次さん喜多さんコンビに電話してみる。同コンビはあまり無理をしないだろうから多分8:00集合だろうと予測し電話してみたらなんと大正解。「お互い旅の無事を」と言葉を交わした。

しなのは予定通り10:00少し前に中津川到着。中津川から集合場所の加子母(かしも)までは約30km。ここからはバス輪行で途中の付知(つけち)まで移動後スタートか、中津川からスタートの選択枝がある。今回は中津川からスタートすることにしていたが、事前に「走ってみる会」のIさんより連絡いただき、「自走であれば付知峡入り口交差点で待ち合わせを」とのこと、結果としてはこれが大いに助かった。ということで自転車組立て後駅のそば屋で腹ごしらえをする。(少ししょっぱい)
付知温泉行きのバスを横目で見ながら中津川駅を出発。

出発後間もなく木曽川の橋を渡る。下流方向を見ると鉄道橋らしいものが見える。しかしもう運行されなくなって久しい様子。その後も鉄道の遺構を確認することができた。(
帰ってから調べてみたところ旧北恵那鉄道が中津川から付知まで運行されていたとのことである。)

付知までの道のりは基本的に上りなので上り坂があるのは仕方が無い。しかしかなりの下り坂もある。せっかく稼いだ高度をまた下るのである。それも半端ではない下り坂。予想外の手ごわい道のりでした。(途中で合流で本当に良かった。)

ということで付知峡入り口交差点到着。しばらく待っていると11:30過ぎ、塞之神峠から皆様がやってきました。簡単な自己紹介後再スタート。無事合流することができました

今回のメンバーは「走ってみる会」の方6名、京都のNさん、神戸のNさん、そして私の9名です。
30分ほど走って昼食タイム。新緑の木々の下、思い思いに弁当を広げる。

一服も終わったころリーダーのIさんからスタートのコール。今回事前にいただいた予定表を頭に入れてなかったが、リーダーのIさんからスケジュールにより的確に休憩時間・スタートの合図がある。途中のティーブレークや撮影スポットでの休憩など織り交ぜながら結果としては二日間予定通り行動することができ、そのリーダーシップには非常に感謝である。

新緑の葉の間から差し込む光を浴びながら進むとほどなくダートとなる。
途中、高樽大滝やランプの宿がある渡合温泉(の入り口)で休憩しながら進むといよいよ本格的な上りとなる。ダートのきつい上り坂。大変ではあるが、時にはタラの芽を収穫したり、遠くに中央アルプスの山並みを望みながらの上り。不思議なことにあまり苦にはならない。
 白州沢、北沢と一休みしながら進むといよいよ白巣峠が見えてきた。最後の切り通しを過ぎると白巣峠である。今日もきれいに御嶽山を望むことができました。
旧道の白巣峠近くへ移動しティーブレークとなる。絶景の中、皆さん輪になって持ち寄ったお菓子をつまみながら紅茶をいただく。おいしい。

今回も旧道の白巣峠へ行き、観音様をお参りに行く。古来、御岳山を信仰する人々が加子母から木曽越峠、そしてここ白巣峠を経て詣でたとのこと。その間に道しるべとして33観音が奉納され白巣峠が第三十三番目。長らく人の目に触れることはなく幻の旧白巣峠と言われていたそうですが、最近になって地元の有志が木曽越古道の価値を見直そうという活動を進め、その一環で旧道や観音様の発見・整備を進めているとの事です。

白巣峠からは舗装道路。宿のある滝越までダウンヒルを楽しむ。日が影ってきた中、予定通り18:00前に滝越集落の民宿「滝越屋」に到着した。

夕食はおかみさん心づくしの料理。プラス途中で収穫したタラの芽もてんぷらにしていただきました。森林鉄道廃止直前の秘蔵映像鑑賞や近くの自然湖の写真集を拝見し、楽しいひと時を過ごしました。夕食から二次会へと「今日はこの辺で」と声がかからねばいつまでも話が続くところでした。


5月3日(日)
5:30頃に目がさめる。できれば早めに起きて近くを散策しようと思っていたが、結局起きたのは6:00前。外に出てみると「寒い」。走り始めると指きりグローブでは手が悴んできそうである。
宿のすぐそばは、森林鉄道旧滝越停車場である。その場に立ってみると森林鉄道時代の情景を想像することができる。旧平沢商店も取り壊しされずに残っている。
上流側に少し移動して蘇水寮跡へ行ってみる。今は釣りキチ渓谷として整備されているが、それもあまり軌道に乗っているようには見えない。何か痕跡はないかと目を凝らして歩いてみたが、枕木らしい木が一本あっただけであった。
次にさらに上流へ滝越発電所の近くまで行ってみる。途中猿と遭遇。通り過ぎると物陰から威嚇している。関西電力のその発電所は昭和26年完成当初は有人だったそうだが、現在は無人で稼動しているとのこと。
ここから集落へ引き返す。と、本線から分岐して川を渡る線路跡発見。昨日走ってきた白巣峠方面、白川沿いの路線跡のようである。最後に保存してある車両を見に行く。バーベキューなどの施設、水交園の敷地内に保存してあるのは機関車や客車、ラッセル車などである。
通学用に使用されたやまばと号用の客車2両はきれいに塗りなおされている。きっと当時もこんな色だったろうと思う。ボギー台車だったり鋼製車体だったり、きれいな塗装だったり子供たちへの配慮が感じられる。そろそろ朝食の時間が近くなってきたので戻る事にする。手はすっかり凍えてしまった。

宿に戻るとおいしそうな朝食が待っていました。今日の昼食用におにぎりも用意していただきいたれりつくせりである。この集落は現在9戸とのこと。それも一人住まいがほとんどとのこと。そのような中で民宿を営業し続けるのは一方ならぬ苦労があると思う。今後も時々訪れたいと考えているが、そのときにこのような宿が存在しているのか非常に心配でならない。そんなことを考えながら宿の前で記念撮影後、8:00過ぎに昨夜話題となった自然湖へ向かった。

自然湖とは1984年(昭和59年)長野県西部地震で出来たせき止湖で、自然にできたので自然湖と呼んでいるとのこと。昨年岩手・宮城内陸地震が発生し多大な被害をもたらしたがそれと同じくらいの地震がここでも起こったのだ。今は写真を撮るためにここに訪れる人も多いそうであり、美しい景色であるが、自然の猛威のすさまじさを感じさせる光景でもある。
ここから引き返し本来のコースへ向かう。滝越の集落を過ぎしばらくすると森林鉄道跡から右上に分岐する林道へ入る。いきなり急な勾配となる。道路の補修のために撒かれたバラストにタイヤがとられ走りにくい。つづら折の道をしばらく登るとさきほど出発した滝越の集落が眼下に見える。

9:50御嶽山がきれいに望める場所で今日最初のティーブレーク。なんでもない紅茶なのになんでこんなにおいしいんだろうと思う。非日常的な場所でいつもと同じようなことをする。それがなんと贅沢なことなんだろうと思わされる。
再スタート後しばらくすると2日間を通して最高地点に到着した。(約1,590m)最高地点と言ってもこれから下り坂だけではない。100m前後の上り下りを繰り返しながら進むのであり、ラフロード好きな人にはたまらない一日なのである。

12:30昼食ポイントに到着。早速「滝越屋」で用意していただいた包みを広げる。大きなおにぎりが3個とたくあん。楊枝に刺してあるウインナーがうれしい。私もなんとか食べきることができました。昼食を食べた場所は大川小谷川にかかる橋のたもと。その橋の横には森林鉄道の橋の遺構も見られる。こんなに山の奥深くまで鉄路が延びていたとは驚かされる。リーダーより「出発するよ!」の声がかかる。
ここからしばらくは三浦貯水池沿いに平坦な道がしばらく続く。「走ってみる会」のKさんと自転車談義をしながら最後尾をのんびり走る。三浦貯水池も終わりごろになると堆積した砂地に無数の切り株が点在する光景となる。うっそうとした森から木々を切り出した後の姿である。それはそれで荒涼とした見ごたえのある景観であるが。ふただび緑豊かな森に戻ることを願うばかりである。平坦な道が終わる橋のところで皆さんが待っていてくれました。
いよいよ約100m位の上りを2回残すのみとなりました。「やっと終わり」、「もう終わり」みなさんそれぞれ思っていることと思います。五味沢から尾根を越えて水無沢へダートの豪快な下りを駆け下りる。自転車の耐久試験にはもってこいである。(駆け下りる前には各部のネジの緩みには注意しましたが)
いよいよ最後の上り。荒れたダートの急な上りも不思議に苦にならない。最後のヘアピンカーブを曲がると峠まであと400mくらいの直線を残すのみである。京都のNさん、神戸のNさんと一緒にゴールにたどり着いた。ゴールでは「走ってみる会」の皆様と感動の握手。掛鞍峠到着です。

ここで残念なことが二つありました。一つはデジカメの電池が切れて掛鞍峠以降の写真を撮ることができなかったこと。もう一つは「掛鞍峠」の案内板が朽ちてしまったのか撤去されてしまっていたことです。幸いにも「掛鞍峠」と記載のある道しるべが道端にころがってましたので、それを取り出して皆さんで記念撮影を行いました。

ここで最後のティーブレーク。決して余裕のあるスケジュールではない中、十分楽しめるひと時を設定していただいたのはうれしい限りでした。皆さん思い思いに手持ちのおつまみを取り出しいただきました。それにしても峠で飲んだコーヒーはうまかった。

雲がだんだん濃くなってきたが、なんとかまだ御嶽山が見えます。御嶽山ともお別れをしいよいよ峠からの下り。ここは峠からふもとまで見渡すことが出来る絶景と言うか、豪快と言うか、怖いと言うか。途中で写真を撮ったり、少し下ったところで峠を見上げてみたり、一気に下ってしまうのは惜しい気がします。道もダートから舗装になりしばらく下ると最後のゲートが待っており、ここを通過すると「現実の世界に戻ったかな」という気がします。お疲れ様でした。

ここから少し坂を上った後はゴールの加子母まで下り坂。二日間の思い出が脳裏をよぎる中、隊列を組んで下っていきます。側道にはいって間もなく加子母総合事務所到着。
道の駅に移動後、みなさん一言メッセージを記入。リーダーからまとめの言葉をいただいてそれぞれの帰路につきました。
私はKさんに中津川駅まで便乗させていただきました。おかげさまで一本早いしなのに乗車することができ助かりました。

 今回二度目の滝越ミーティング参加でしたが、前回と異なりハードなコースを単に目的地に向かってひたすら進むというよりは走りを、そして登り・下りを堪能しながら楽しむことができ何よりでした。
プランニング・スケジュール調整いただいた「走ってみる会」リーダーの方や一緒に走っていただいた皆様にお礼申し上げます。

                      Onodera