最終更新日: 2009年8月3日
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                              【完結編】

佐渡ロングライド100Kmに参加して
2009年5月17日

 昨年12月、O寺さんより2009年佐渡ロングライドの5月17日開催が決まったことの案内がメッセージボードに掲載されました。この時は「いつかは自分もこんな催しに参加して見たいものだ」程度の受け止め方でした。
翌1月にはエントリー受付が始まったこと。O寺さん、O湖さんが210キロに参加されること。参加希望の場合は宿の手配を急ぐ必要があるとの案内が掲示されました。これを見て無性に参加したい気持ちが強くなりました。
未だ5ヶ月ある、もっと脚力を強化すれば自分にも走れるかもしれない。130キロにするか100キロにするべきか迷う。O寺さんの「100キロでも十分なチャレンジ」のアドバイスがあり、Cコース100キロにエントリー。それまで続けていた3~4日に1回の江ノ島、鎌倉へのトレーニングに加え、坂は上りつめたら降りてまた登る等、脚力、我慢に慣れることを心がけました。月平均250~300Kmはキープするよう努めました。

4月にはS石さんにご提案いただいた猿ヶ京での坂道訓練に加え、猿ヶ京から新潟へのラン。同じく5月連休での江ノ島から沼田のランをO湖さんとご一緒。なんとか100キロは行けそうな感触を得ることができました。

佐渡ロングライドホームページより
 5月17日の大会1週間前より現地の天気予報が気になる。天気悪そう。予報が外れることを祈りながら 日に2、3回の検索、でも予報は外れそうもない。天気ばかりはどうにもならず、16日の前夜祭頃からぼつぼつ降り出し、大会当日17日の朝は本格的な雨となる。
昨年の浜名湖ラリーの際、掛川駅のコンビ二で買ったレインコートを着込み、ヘルメットは宿のシャンプーキャップで包む。足には情報チップ、ここだけちょっぴりアスリート気分。しかし自転車の後ろ前には荷物。集合会場で、他のランナーと見比べると余りかっこよくない。早そうでない。置いてきぼりになるような気がする。 

ゲートを6時40分にくぐりロングライドスタート。雨の海岸線を一列に連なりひた走る。雨が降っている割には見通しが良い。海岸には奇岩、海の水は底が見えるほどに澄んでいる。
気持ちが和む、しかしレインコートは蒸れるので、雨の強さで着たり脱いだり、仕舞いにはそれも面倒。ウェアーは汗と雨で乾いているところは腰の周りくらい。子供の頃の寝小便の気持ちの悪さを連想させる。レインコートを脱ぐと風でからだが冷える。コンビ二レインコートの限界、雨に対する装備の重要性を認識する。

 道には住人の方々が、雨にもかかわらず外に出て声援をくれる。あり難い。頭を下げニコニコし通過する。気分が向くと手を振ったりして答える。でも、疲れてくるとそれも負担。入崎ASを過ぎ50Km地点を9時15分に通過。 
いよいよ高低差130mのZ坂。資料によるとMax.11度とある。坂を見上げる地点で休憩を取り、気を引き締める。本日一番の難関だろう。先行するランナーの色とりどりのウェアーがZの線上に点景をなす。順調に動いている点、止まっているように見える点 結構大変か。登り開始、ギヤは早めにローに切り替えるよう心がける。何とか降りずに登り切れそう。レーサー仕様の自転車とウェアーのランナーが何人も歩いている。足を着くことなく登りきろう。スタート前は装備や出で立ちを嘆いたが、動くものは何でもエンジンが大事の認識を新たにする。こういうのを「年寄りの冷や水」というのか。

Z坂を過ぎると多少のアップダウンはあるものの大変な箇所は余りない(100キロコースでは)。雨風の寒さと濡れた気持ちの悪さが一番の難敵。島を東に回ると島の西側を走っているときの様な声援もパタリとなくなる。海岸まで山が迫っており人家が少ない。辺鄙な場所でも係りの人が雨の路傍に立っている。特に下りのコーナーではスピードを落とせと、しきりに手を下に広げて合図をくれる。こういう方々のお陰で安全に走れるのか、6千円も高くないか。

順調に距離を重ね85キロを過ぎると前方に両津の町並らしきものがみが見えてくる。薄日が差して来るように見えるが雨脚は一向に衰えない。大降りの中、12時30分両津のゴール到着。休憩も含め所要時間5時間50分。自転車を懸架台に吊るし、完走の証明を戴きに向かう。証書と弁当を受け取り、大降りのテントの下で食事。天気が良ければ宿まで30キロ走る積もりでいたが、戦意喪失。シャトルバスでもどることにする。バスは14時発。待ちの時間が長い。じっとしていると寒い。ならばいっそ走ったほうが良いか、気持ちが揺れる。

 結局、バスで佐和田に戻る。別便で搬送された自転車を受け取り、15時ホテルに帰る。早速温泉に浸かりに行く。驚くことにAコース210キロを走った人のヘルメットとゼッケンが脱衣所の籠に散見される。Aコースのリミット18時より3時間も前。信じられない、上には上があるもの、恐れ入る。
風呂から上がりビールで一人乾杯。一時のうたた寝後、O寺さん、O湖さんを出迎えにゴールの佐和田に向かう。

濡れた道を転がるタイヤの音と雨上がりの空気が心地良い。

                Naganuma