最終更新日: 2008年10月25日
YMCC30周年に寄せて 我的中国旅遊
小野寺
 YMCC30周年おめでとうごぎいます。記念誌発刊にあたり昨年6月自転車を担いで単身訪れた

中国でのドタバタ記を紹介させていただきます。中国へ行った目的は内モンゴル自治区赤峰市の

小学校を訪れることです。しかし最後まで悩んだのが、自転車を持っていくか否かでした。結局は

市内での移動用という名目で持って行くことにしました。

スケジュールの概要は、北京二泊 車中一泊 内モンゴル赤峰市二泊 北京再度一泊。

北京、赤峰市内は自転車にて移動。都市間の移動は往路は列車、復路は空路国内線での輪行です。

雨の北京ポクリング

 北京での行動初日はあいにくの雨天である。6時過

ぎにホテル前で持参した自転車を組立て出発。念の

ため持ってきた雨具が本当に良かったと感じる。大

通りに出て前門(正陽門)に向かって走る。北京市

内では自転車が多く走っているが雨の日はどうかと

いうとやはり自転車は多く走っている。皆カラフル

な雨具(ボンチョ)を着ていて荷台に乗った子供が

お母さんの雨具の背中に頭の方だけすっぼりかぶっ

ている姿も見られた。雨の日でもやはり自転車は重

要な交通手段である。日本とは違い車は右側通行

なのでなかなか走りづらく特に交差点では注意を要した。右左折はもとより赤信号は止まれではないらしい。

赤信号でも車や自転車がこなければどんどん渡ってしまうのである。前門を横に見ながら天安門の東側を進む。

7:20景山公園の頂に立つ。故宮の北側にあるこの公園は頂に登ると広い故宮を見渡すことができる。

あいにくの天気で遠くの方はかすんでいるが、それでも北京市内を一望することができる。

 北京大学近くの食堂で昼食。料理を頼むときには少し勇気が必要である。料理の名前で料理を想像するが

想像しきれない。確実にわかる料理を頼んでいたらいつもマーボ豆腐を食べなければならない。それにしても周り

の人はおいしそうな料理を食べている。

 昼食後い和園に向かう。通常観光客が入る門からではなく、北側の門から入園する。入る前に自転車を預

かり所に預ける。料金は後払いであった。門を入るとすぐに蘇州衝に入り、山の項に至るとい和園の象徴の一つ

である仏香閣が見えてくる。仏香閣からは昆明湖が見

渡すことができるが景山公園と同様遠くはかすんでいる。

自転車預かり所で料金0.6元を払う。係りのお爺さん

にスタンドが壊れている(無い)と言われるが説明する

のも面倒なので「そうなんです‥」と答えておく。

 今度は、昆明通りを南下し盧溝橋へ向かう。北京

市内は高層ビルが建ち並び高速道路も整備されつつ

あるが、少し郊外へ出るとのどかな風景となり、道にもロバが引く荷車が行き交う光景を見ることが出来る。

のどかではあるが、景色を楽しむばかりではなくロバの糞をなるべく踏まないように注意が必要になってくる。

盧溝橋に到着するとみんなが自転車やバイクでどんどん通行している。私も同様に通ろうとしたら料金が必要

とのこと。観光客と地元の人は別なのである。観光地でもあり生活の橋でもあり観光客の横を通学の小学生

が通り買い物帰りのおばさんが通るといった様子である。盧溝橋を挟んで高速道路と鉄道橋があり河川も整備

されているが、歴史の重みを感じさせる橋である。

 帰り道で自転車を洗車する。車が6元だから自転車は2元で頼もうと思っていたら、向こうから2元と言って来た。

私の価値判断もこちらになじんできたなと思った。今日一日雨の中を走ったために泥だらけになった自転車がき

れいになった。

北京の駅事情と輪行体験

 翌日は、雨も上がり晴天である。今晩は車中泊なので荷物を全部

ナップサックに詰め込んでホテルを出発する。まず香港への列車も出

る北京西駅へ向かう。さすがに最近出来たばかりとあって巨大な駅舎

で中に入ってみたい気もするが、ここは記念写真のみにとどめておく

ことにする。しかし行き交う人にシャッターを頼んでも誰も応じてく

れない。長旅で疲れている人に声をかけてしまったようだ。そうして

いる内に親子で記念写真を撮る人がいた。さっそく頼んだら快く

シャッターを押してもらうことが出来た。こちらも親子一緒に並んでいるところを少しオーバーアクション気味に

カメラを構えて撮ってあげた。

 次は北京駅に向かうことにする。西駅ができる前は北京最大の駅であったが現在でも多くの列車が出入

りする主要駅である。大規模な工事中ではあったが、中に入ってみることにした。入場券を買って中に入っ

ていく。一番早く発車しそうなホームヘ進むとやはり検札の駅員が立っている。いつものように列車を見るだけ

と説明しても理解してもらえない。こちらの言葉があやしいのもあるがそれ以前に列車を見るだけで入場券を

買うこと自体が理解できないのではないかと思う。なんとかホームに降りることができた。ホームには二階建て

の客車が連なった天津行きが発車を待っていた。二階建てではあっても標準軌のためか室内は広く感じる。

長距離列車と同様各車両の入り口には服務員が立って乗車券をチェックしている。発車時間が近づくと

だんだん席は埋まり乗車効率はよさそうだ。先頭に行ってみるとディーゼル機関車が連結されており、機関

士が快くカメラのポーズをとってくれた。北京駅にはひっきりなしに列車が出入りし特に気がついたのは、カラ

フルな車両が多いことだった。中国の鉄道といえば緑に黄色いラインの車両と決まっていると思っていたら

白地に赤や青と思っていた以上にカラフルな車両が目に付いた。北京駅舎には高速鉄道計画の看板が

掲げてありTGVに似た車両の運行を宣伝していた。いつから運行予定なのかはわからないが、高速鉄道

の波は、中国にも来つつあるようだ。

 北京駅から地下鉄ルートを時計と反対回りに走り今晩乗る列車が出る北京北駅(旧西直門駅)に向かう。

西直門に到着後ここにある吉野屋で牛丼を食べる。1セット19.5元(味噌汁、お新香付き)他に生ビールを

注文した。少しぐらい味は異なっていても、久しぶりに安心して注文することができた。

 まだ発車までは3時間以上あるので駅の近くで休憩することにした。休憩所は駅に近いほど高くその差は

10倍以上である。駅から遠い安い方の宿に入る。二人部屋を一人で使い15元。安いには安いが設備も

中国一般仕様。シャワーが無いのは聞くまでもなかった。共用の水道で頭を洗い、体をタオルで拭きさっぱり

する。他の客に眺められながら自転車をたたむ。ここで約2時間休憩。

 駅の前にはすでに行列が並んでいた。座席は指定なので別に並ぶ必要は無いので駅舎の中の待合室に

進む。すると若い女性の駅員が切符を見せろと言う。切符を出すとわかったという表情で、他の入ってくる人

もチェックし、切符が無ければ容赦なく待合室から追い出している。薄暗い待合室で待っていたがそろそろ

夕食の心配をしなければならない。自転車を待合室に置いたまま買い物に行くことにする。幸い待合室は、

こわいお姉さんが入ってくる人をチェックしてくれている。西直門まで行って吉野屋の牛丼を買ってくることに

した。歩いて10分位である。昼食べたばかりなのでかっては知っているが、こんどは持ち帰りである。しかし

なかなかその意図が通じないのである。どんぶりと持ち帰り用の箱の絵を書いたり、列車に乗って食べている

絵を書いたり悪戦苦闘したが、あっさり向こうから出た言葉は「TakeOut?」であった。テイクアウトは中国語

で何と言うのか聞いたら「帯走」だそうである。さっそく隣のアイスクリーム屋で“帯走”で注文してみた。

 発車時間も近づきホームに入り緩やか勾配の跨線橋を超えて列車のいるホームヘ進む。6号車に到着し

入り口で切符を提示すると長方形のアルミの札と交換になる。相席は赤峰まで行く58歳の母と30歳代の

息子の二人連れであった。見送りに来ていた長男の所に北京見物に来ていたとのことてある。自転車は、

最初デッキに置こうと考えていたが同席のおばさんの

アドバイスを受けてコンパートメント内上の荷物を置く

スペースに置くことにした。日本の寝台車では(狭くて)

できないことである。身振り手振りを交えて北京観光

の話や赤峰の話をした。時々車内販売が回ってくる。

私も買ってあったビールが無くなったのでもう一本買

い、相席の息子さんにも先ほど飲んでいた瓶ビール

を進呈。瓶は後片づけが大変と思っていたら飲み

終わった後は通路側の窓から外へぽいである。なるほど片づけがいらないわけである。どうりで先ほどから

ガラスの割れる音が時々聞こえていたはずである。

 このように自転車でのメイン部分が経過した。その後無事内モンゴル自治区赤峰市に到着後、市内をポタ

リング。翌日はチャーターした車で小学校を訪問。無事目的を達成。

再度、空路国内線の飛行機で輪行し北京へ戻ってきた。


YMCC30周年に寄せて

 以前ほど海外旅行は特別なことでは無くなり気軽に世界中どこにでも行くことができる時代にはなりました

が、ガラス越しと自転車では格段の差があると思います。私としては初めて異国の地を自転車で走りその

環境・人々と風を肌で感じることができました。

YMCC30周年を迎え多くの思いでの年輪を重ねてきました。改めて多くのアルバムや資料を見てみると、

この間の多くの方々の努力と熱意そして出会いと感動を感じることができます。残念ながら30周年記念ツーリ

ングには参加できませんでしたが、今後もすばらしい汗と出会いと思いでの年輪を重ねて行きたいと考えて

います。