2010佐渡ロングライド210参戦記 ■ホームへ
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レポート本文

H立 記

5月16日日曜日

3:30 起床

なんと食堂には味噌汁付き朝食が用意済み、民宿七浦荘の支援に感謝しながら平らげる。早い組は3:00には食べている由、56名の宿泊客全員完走への意気込みで満ちている。今回はO湖さんの指導でタイヤの空気を抜いて保管し、出走前に適切な空気圧に仕上げるということで、O湖さんに空気入れまで頼ってしまう。仕上がったところでO湖さん、T本さん、私の順で4:50民宿七浦荘を出発。参加者集合場所の佐和田行政サービスセンター駐車場まで12Km強の道程だ。昨日も参加者受付のため一往復しており、体を温めるにはちょうど良い。

島の道はアップダウンの繰り返し、先頭のO湖さんを旭日が照らし始める。

 

5:20 集合場所到着

O湖さんはAコース(210Km)なので既に誘導が始まっている。5:45スタート開始ということで、すぐにスタート地点の河原田小学校グラウンド前に向かう。私とT本さんはBコース(130Km)なので誘導開始を待つ。Bコースの参加者(600名)が誘導前に大きな列になる。周囲は雑誌でしか見たことのないカラフルなスポーツ車(9割以上ロードレーサー)とサイクルウェアの男女でぎっしり埋まる。

T本さんはトイレを済ませておくと言って列から離れてしまったので、一人で列に連なって6:00誘導開始。ウィンドブレーカーとヒートテックを着込んでいても下半身は短いレーパンなので早朝の寒さには耐えきれない。武者震いではなく寒さで膝がガクガク震えだす。Bコースの列がスタート地点前の海岸通りに入ると、グループ参加の人たちは自転車を仲間に預けて続々簡易トイレに駆け込んでいく。一時間の待ちで誰も耐えきれなくなっている。私もこりゃヤバいなと思いつつ、スタート後の最初のトイレに駆け込もうとコースを確認するが、最初の公式トイレは20Kmも先。アナウンスでタグの足首装着確認が連呼される。センサーでポイント通過をチェックするものだ。スタートは6人ずつ、6つの枠が白線で仕切ってあり、6人ずつ枠内に揃えて一斉にスタートする。

6:22 左から2番目の枠でスタート

すぐに海岸通りの公園トイレに駆け込んで用をたす。先客がいて、ここのほうが空いていて正解とのこと。すっきりしてコースに戻り6人単位のスタートグループの合間に入って走り出す。

海岸通りは舗装も良く快調にとばす。暫くは民宿から来た道を逆走することになる。町中に入るとご老人方が声援してくれる。街並みが続く限り声援が止むことが無い。交通規制を公式にはしていないので左側一列通行が奨励されていたが、走行、追い越し、更に追い越しと三列くらいで駆け抜ける。どんどん追い抜かされる。自粛いただいていると見え、車はほとんど来ない。街並みを抜けて人影が無くなれば、水を張った田んぼでカエルの大声援。信号も無い道を突っ走る。寒いどころか暑くなってくる。民宿手前の坂道を登りきったところで停車してウィンドブレーカーを脱ぐ。パールイズミ製の軽いもので、丸めるとサイクルシャージーの背面ポケットに納められる。昨日スタートポイント前のテント売店で購入しておいて正解だった。再び走り出して夫婦岩を通過。参加者の多くが停車して風景を写真に収めているが、横目で見るだけにしておく。

7:17 最初のエイドステーション相川AS到着

ここまで20Km。テントでスポーツドリング、蕎麦、おにぎり、パン、バナナ、オレンジなど提供している。オレンジを齧って5分休憩でスタートする。

2008年にかみさんと佐渡一周ドライブ(自転車を積んでいったのに走らず)したときにグラスボートを楽しんだことを思い出す。

7:58

またもようしてきて、平根崎でトイレ休憩。ここは男子も便器が一つしかなく待ち行列。後から来る人たちが何か名所ですかと尋ねるほどの賑わいだ。

8:29 入崎AS到着

ここまでで40Km。腹が減ってきておにぎりをいただく。朝食から4時間半経過しているのだから腹が減るのも当然。相川ASでもおにぎりを食べておけばよかった。足に軽い疲労を感じたのでトイレと合わせて15分休憩。ここもトイレは待ち行列。オフィシャル修理・応援隊の走る自転車屋さんの車が来ていて、パンク修理など対応してくれている。テレビ局が珍しそうに撮影する。ここまで故障車は数台みかけたが、自分の通過時間帯の範囲でのことだから全体ではかなり多数の故障車があるのだろう。携帯電話に留守電が入っており、T本さんからだ。既に待ちくたびれて入崎ASを出発した由。速いな~。

9:25 岩谷口駐車場のトイレ休憩所到着

駐車場一杯に自転車が待機している。珍しいものがあるわけでもないのに何で?とトイレも行かずにスタート。すぐに何故かわかった。有名なZ坂の直前だったのだ。Z坂も車で走った際に急坂ではあるが登れない勾配ではないと見ていた。実際ヤビツ峠などと比べて似たようなものだ。

9:27 坂に取りつく

出だしはカメラを出して周りの人を写真に撮る余裕があった。押して歩いている人もちらほら見かける。体力温存策としてありだろう。ギヤを軽くしてウグイスの鳴き声に押されながら登っていくと、テレビカメラの車がこちらを狙いながら追い越していく。これでは止まれないではないか。さらに後ろから走る自転車屋さんの車がサッカーの応援歌をスピーカーで流しながら追い上げてくる。これがサーカー(坂?)サカー・サカー・ウィーアーザチャーンプ・ウィーアーザチャーンプと聞こえる。ようやく峠を越えると停車して下方を撮影している人もいるが、早く下りたい一心で、そのまま走る。一気に下っていくと海府大橋だ。ここもビューポイントだった。

またまた登りが始まり、

10:06

前半二番目の難所といわれる大野亀の坂だ。100mの登りも難なく駆け上がる。Z坂より見通しが良く、走りやすい。

10:23 はじき野AS到着

72Km地点だ。ここのおにぎりは俵にぎりのように小ぶり。物足りないのでバナナもいただく。事前説明ではASの食べ物は一人一個にしてとのことだったが、それでは腹がもたない。10:25にT本さんに電話。既にはじき野ASを出て両津に向かっているとのこと。両津BSで再会することにする。15分休憩で出発。

トンネルがあるとライトを点けるのだが、サングラスのせいで暗いトンネルでは視界が悪い。一人ではトンネル内不安なのでグループの後ろに付くようにする。地図ではこの先に内海府トンネルという長いトンネルがある。トンネル入り口で停車してサングラスを外す。ところがこれが大失敗。このトンネルは新しく照明も完備している。その代り埃っぽくて目に入る。11:15に1,759mを抜けて出口で休憩。目を休める。

もう道路の掲示に両津の文字が見える。左側対岸に街並みも見える。かみさんとネイチャーガイドの案内でこの辺りから新潟大学の研修林を巡ったことを思い出す。すぐ両津だと思いつつなかなか到着しないので苛立つ。道は舗装も良く快適だ。道案内の方の指示で両津港北埠頭の両津BS(弁当ステーション)に12:05到着。T本さんがお待ちかねだ。

ここはCコース(100Km)の終点でもある。アナウンスがCコースの到着者の名前を読み上げる。タグをセンスするのでわかるのだ。

テントでおにぎり弁当を受け取り、更に味噌汁の配給を受けて、敷物代わりに用意されたダンボール紙に座って昼食。島の子供が鬼太鼓を披露してくれる。

12:50

両津BSをT本さんと出発。すっかり待たせてしまった。港を過ぎると直に住吉のA・Bコース分岐点だ。ここは二段階右折だ。両津港は交通量も多いので必要な規制だ。あと30Kmを切る。小佐渡の山裾を縫う農道を進む。ところどころの十字路ではボランティアの方が無信号のところを誘導してくれる。暑さはなんとか凌げるが、ここらから尻が痛くなってきた。100Kmは今まで多摩川などで経験があるが、このあたりで距離は未知の領域だ。レーパンのパッドでは限界なのか。いや乗車姿勢の問題と過体重のせいであろう。尻を浮かせながら山坂を越える。最後の30Kmはトイレ休憩所も見つけられない。T本さんが休まないで大丈夫かと気遣ってくれる。

13:42

坂の上で停止して休憩。右手大佐渡の山並みは山頂に雪を頂いて美しい。農道を抜けて真野の街並みに入るとまた声援が飛ぶ。力が湧いてくる。

14:08 真野公園を通過

町中を走り抜けるが信号が出現。黄色に変わって道案内の方の制止で急停車した際に縁石に触れて路肩で滑ってしまった。落車は免れたがヒヤリとした。

まだかまだかと思いながら走るとようやく川沿いのフィニッシュ地点への誘導が見え、案内に従って最後の踏ん張り。センサーを通過すると自分の名前がアナウンスされる。

14:27 無事ゴールイン

T本さんと一緒だ。

河原田小学校グラウンドの入り口でタグを外してもらう。テントで完走証を受け取り、とにかく休憩。屋台が出ていてビールも売っているがまだ宿まで12Km走らねばならないので断念。アイスコーヒーと焼きそば(まだ腹が減っている)を購入して食べながらO湖さんの到着を待つ。テント村に無料のストレッチとマッサージの看板があるのを発見し、尋ねてみると20分待ちで可能とのこと。私はストレッチをT本さんはマッサージを申し込む。アップルという専門学校(アップルスポーツカレッジらしい)の一年生と二年生がボランティアでやっているのだそうだ。若いだけに力も入り、ストレッチですっかり楽になる。体堅いですねのご指摘を受け、ストレッチは今後取り入れる課題と自覚する。

16:30 頃

T本さんの携帯にO湖さんから連絡が入る。181Km地点とのこと。しんどそうな声だというので制限時間内に到着できるか心配になる。その先にはZ坂を越える山越えが連続している。待ちくたびれたら先に宿に戻ってといっていたが、到着を見届けるべく、フィニッシュ地点で待機。アナウンスに耳を凝らしていたが、変な名前と思ったときにO湖さんがゴールイン。17:35だ。どうもアナウンスは漢字を表示していてそれを読み間違えているらしい。東海林さんをトウカイリンさんと呼んでいたくらい。

O湖さんの晴れ晴れとした顔を見て安心。山越えを猛ダッシュで乗り切ったそうで、流石である。O湖さんの知り合いの百哩大王というチームの皆さんと写真の取りっこをして、完走記念写真もできた。

クールダウンを兼ねてまた宿への道12Kmを走る。夕日が美しい。暗くなる前に着くよう力が入る。この道は5回目だ。途中の道路工事の交通規制も懐かしく思える。宿に着いて自転車を倉庫にしまうと宿の前の湾に夕日が美しい。O湖さんがモネだモネだと叫ぶ。完走のスッキリ感が詩情を誘ったのだろうか。たしかにこんな光景は在りかと思うような夕日だ。宿の女将さんが今撮らないとすぐ消えてしまうよと言うのでカメラに収める。

さて花より団子の私としては、昨日我慢した特別料理の刺身に期待。3人前2,300円という値段では信じられないほどのヒラメの造りや地魚盛り合わせで大満足。ビールと熱燗に酔いしれた。

今回はO湖さんが車で自宅まで迎えに来てくれた上に、徹夜で関越道を運転してくれて、佐渡の島内も車で温泉に寿司屋と巡ってもらい、前夜祭から参加できて大名旅行となった。O湖さんお勧めのわかめ蕎麦も佐和田商店街の後援イベントで食べることができたし、全面的にお世話になり大感謝。宿にした民宿七浦荘もとても良く、二泊したので無理ない走りができた。なにより島を挙げての支援ぶりに大感激。これは参加者が増えるのも当然。また前週末のサイクリングでT桑さんに前輪タイヤの傷みを指摘してもらったので、タイミング良くRUNでタイヤ交換と後輪ブレーキシュー交換ができ、故障もなく走りきれた。次回210Kmを目指すことができるかは自己のエンジンの鍛え方如何である。ロングライドは素晴らしい体験になった。

サイクルコンピュータのデータ(七浦荘からスタート地点までの二往復込)

走行距離 183.9Km
平均速度 19.5Km/h
最高速度 47.2Km/h
走行時間 9時間23分58秒

-以上-

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