2010年3月 養老渓谷ラン ■ホームへ
↑上のページへ
←前へ 次へ→

基本データ

クラブラン実施日 2010年3月14日(日)
クラブラン名称 房総コース(40周年記念クラブラン No.2)
コース概略 (スタート)久留里駅~養老渓谷温泉街~滝巡り~温泉、食事~養老渓谷駅(ゴール)
集合場所 JR 久留里駅
クラブラン担当者名 O湖
レポート担当者 O湖
参加者(敬称略) M山、N久、H立、W田(克)、N沼、S石ご夫妻、O湖、T本、K又、H本、O寺、K林、[N雲]
合計14名
天候 快晴

レポート本文

催行編

2010年、3月も半ばとなった14日に催行した当クラブ月例ランの報告をいたします。この企画はクラブ創立40周年記念行事の第2弾となるものです。

催行の数日前の事です。

「俺も行くよ」ってピンさんから電話がありました。

まだチャリには乗れなくとも、その意気たるや軒昂そのものです。それで彼にはリハビリの一環として参加していただくことになりました。久留里駅から養老渓谷までの間約15kmについてはタクシーなど使って追いかけてもらうことにし、立ち寄り入浴と食事会に合流するということになりました。

当日待ち合わせした時刻、横浜駅に5名が集合しました。「ホリデーきっぷ」を購入しようとしたところこれが意外と手間取りまして。気づいた時には列車が横浜駅に迫っておりました。同行者のそれぞれに慌てて切符を手渡したそばからホームに上がってもらったのと、列車が入線してきたのがほぼ同時です。

都合のよくないことに南改札口から総武線直通列車のホームへはエレベーターやエスカレーターがありません。振り返るとピンさんも最後尾車両まであと15mというところまで走るようにして来てくれています。発車のチャイムが鳴るなか若くてきれいな車掌のおねいさんに「あのひとも乗るので待ってあげて」って頼んだのですよ。しかし「こちらも遅れているので…」とつれない返事です。遅れついでだしあと10秒でよいから融通を利かしてほしかったなあ…。

乗車組には次の列車で追いかける旨伝え、ふたりはホームから手を振って皆を見送りました。気になるのは戸塚駅で乗車し、先頭車両で待ち合わせているN雲さんのことです。3名が横浜駅にて最後尾車両から乗車したことをすぐに電話で伝えました、ご心配かけてすみませんでした。

ほどなくして来た次の総武線に着席し、ピンさんとは缶コーヒーなどしながら歓談しているうちに津田沼で乗り換え。同じホームに次もすぐ来て千葉駅にて館山行きに乗り換え。千葉駅では隣のホームへ移動だったのでまたもや階段の登り降りにせかされましたけど。なんと乗り移った直後の発車です、間に合ってよかった。

今日はとても慌ただしいなあ、ピンさんは日常の数倍もの速さで運動を余儀なくされ、日常の数倍ものエネルギーを費消しています。わたしは輪行袋を持つ腕がしびれてきました。ま、これは自宅に輪行袋の肩ベルトを忘れてきてしまったのだからですけどね。

車内アナウンスによると6分遅れの発車となり、都合20分ほど千葉駅に停車していたそうです。ん~、もしかしてこの列車は当初乗車予定のものが遅れて発車したということか、つまり本隊に追いつけた。ならば横浜で涙の生き別れとなった皆さんにもこれで再会できるというわけね、なんという幸運でしょう。

木更津駅にてこんどは久留里線に乗り換えです。これは同じホームからの発車なので難なく乗り移れましたよ。しばらくして当クラブの本隊が乗車してきました。遅れたはずの2名が先に着席しているので皆さん驚愕されたのなんのって。

日頃信仰心など持たない二人ですが、この僥倖(注1)ともいえる本隊との邂逅(注1)にこのときばかりは思わず手を合わせて感謝いたしました。

ふつうならばこれでこの章終り。次は久留里駅から自転車で出発となるのですが、波乱万丈のYMCC活動には神が新たな試練を与えてくださいました。N雲さんが手荷物をうっかり車両に置き忘れ、これを回収するためにまた内房線に乗られたそうです。無事回収して本隊に追いつけるとよいのですが…。

久留里駅にはすでに多くの会員が集合されていました。N沼さんは川崎よりアクアラインバスで木更津入りです。ここからは自転車で久留里まで走っていらされました。

S石さん夫妻は自家用車にて。ここからご夫妻は自転車行です。代わりにO寺さんが車を養老渓谷に代行運転してくれることになりました。もちろんピンさんも便乗させていただきまして、全員が揃って出発です。

O寺さんはなんと前日より300kmの行事「ブルベ(注2)」をこなしてほぼ徹夜明けの状態でいらしてくれました。まことに鋼のような強靭な肉体と精神の持ち主です。

今回は新車のお披露目が2名おられました。ミセスS石さんはフルオーダーのランドナーです。24吋の車輪を採用して、小ぢんまりとしたフレームでありながら落ち着いた佇まいをみせております。どちらを拝見しても丁寧な仕上げのフレームの溶接部、各部に確実に組みつけられた部品など完成度の高さ美しさに目を見張りました。とりわけ前後の泥除けがタイヤに深く覆いかぶさるように装着されております。前泥除けもわざわざ後ろ用の長いものをカットして使う贅沢な工作です。綿密に計算されたこの隙の無いデザインこそフルオーダー車の真骨頂でしょう。

一方はT本さんのロードバイク。フレームチューブの太く力強いデザインはアルミ製でしょうか。 サドル後端を人差し指と中指でひっかけると、いとも簡単に持ち上がるくらい軽い。ドロップ型のハンドル、STI変速システムを持つコンペティション型自転車は初めてだそうですが、ライン川沿線など本場ヨーロッパ各地を走破してこられたT本さんの脚力にかかれば苦も無くねじ伏せられてしまうでしょうね。彼はこの新装備で本年の「佐渡ロングライド」に出場されることが決定しております。

養老渓谷まであと2kmという処でT本さんが辛そうにされておられます。額から玉のような汗が滴り落ち、息が上がった状態に皆さんが心配そうに顔を見合わせました。どうにも訝しげ(注3)に思われましたので小休止を利用して点検させてもらいました。

外観からはペダルを踏むことに器械的な抵抗があったように見受けましたので、最初ごく自然に後輪を空転させようと手で回してみたのです。しかし後輪は何かで塗り込められたかのように回転が固く、到底走行することに耐える状態ではありません。これでは登り下りの連続した本日の行程は苦行しにきたようなものです。

あらためて後輪を後方から透かしてみるとブレーキの強烈な片効きでした。リムにサイドプルブレーキの舟ゴムが強く接触しております。しかし本体の取り付けボルトを締め直す、10mmスパナ1本でいとも簡単に完治することのできる修理でした。ま、新車でまだ慣れていないせいでしょう、こういう時はなかなか気がつかないものです。

その後のT本さんはまるで水を得た魚のように嬉々として走っておられました。先導のわたしを脅かすくらいの鋭い加速、安定したコーナリングを度々見せてくださいました。

養老温泉のある養老渓谷では、遊歩道を自転車とともに歩き温泉旅館で立ち寄り入浴しました。休憩室でビールして食事して談話する幸せな時間。当クラブの生みの親であり、育ての親として見守ってくださった故島田社長を偲び、感謝の心を捧げました。そして本日を創立40周年行事の一環として催行できたことを嬉しく思います。

その後N雲さんからも連絡がありました。館山駅で荷物を回収し、房総フラワーラインを走って金谷からフェリーで久里浜に渡ってお帰りになりました。総距離約60Kmを走り無事帰宅されたそうです。

O湖

(注1) 僥倖:思いがけない幸い、偶然に得る幸運のこと
邂逅:思いがけなく出あうこと、めぐりあいのこと
(注2) ブルベ : 参加者は、指定されているが標識案内のないコースを走る。
この際チェックポイントを通過しながら、制限時間内(300kmは20時間以内)に完走しなければならない。
(注3) 訝しい(いぶかしい) : 物事が不明であることを怪しく思うさま、疑わしいこと
2010年3月
養老渓谷ラン
■ホームへ
↑上のページへ
←前へ 次へ→